利用者位置から検索する
バスナビゲーションシステムに関する研究
鴫原 育子 ・ 山田 稔 ・ 斎藤 修 ・ 兼子 恭平

開発物語

4.バスロケシステムの開発と試験運用

図-4
図-4「見えバス」のコンセプト

① 「見えバス」アプリの開発

バス利用者の欲しい情報は、自分の現在位置に近いバスや車両やバス停に関するものが中心であり、それを瞬時に取り出せる仕組みが重要だというコンセプトを立てました。(これに「見えバス」との名称をつける。)「見えバス」では、利用者のタブレット端末の現在位置を中心として近隣に存在するバスとバス停の情報をはじめに表示し、利用者が欲しい情報を手に入れるまでの手順が直感的に理解できるように設計されています。

図-4はそれを表したものです。本研究では、これを実装したシステムを開発した上で、このUIがバス利用阻害の大きな要因である「バスが時間通りにこない」「どのバスに乗ったら良いか分からない」という不安を取り除くバスロケシステムの効果を十分に発揮できているか、使いやすいUIになっているかを検証するものであります。

図-5
図-5「見えバス」のシステム概要

また、地方都市やコミュニティバスでは、費用の面から大都市のような従来型のバスロケシステムは導入することができないため、導入費用を抑えることが重要と考えました。そこで本研究ではGPS機能を持ったタブレット端末を使用したバス搭載機を開発し、実証実験を行うことにしました。タブレット端末は、通信コストの低減を目指す昨今の制作に対応して、多様な通信事業部の参入に対応できるなど柔軟性を持っています。そして検索などの処理をクラウドサーバに分担させることで、全体としてコストを抑える仕組みを作ることにし、バス会社や自治体が、少ない予算でも「見えバス」の導入を可能にできると考えています(全体構成は図-5)。

② 開発のコンセプトと試験運用の目的

以上から開発するシステムのコンセプトは以下の通りとなり、試験運用で立証することが目的となりました。

  • 汎用性の活用により導入、維持でのコスト負担を抑える
  • 前章であきらかになった利用者ニーズを実現する方法として「見えバス」すなわちTOP画面で欲しい情報が手に入れやすいよう、現在位置からの検索をベースとするUIを採用する。

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